不穏の理由

あまりにも不穏な状態が続く利用者様がいらっしゃいました。
職員にその理由を訴えたいようでした。
でも、職員が多忙なのに気づかれ、我慢されているようでした。

時間がある!大丈夫!

やっと巡ってきたその瞬間に、利用者様の方から私に近づいてきました。
ユマニチュードの技法
・見つめる
・話しかける
・触れる
・立つ(私は一人でユマニチュードを実践しているので、職場では実行せず)
を使って話しかけました。
すぐに不穏の理由を語り始めました。
それは、過去のあるでき事が孤独感をかきたてているのでした。
私はその過去の出来事を存じ上げております。
私は利用者様がそれを覚えていらしていること、、、それはなんとなく感じておりました。

しかし、それがその方の視界を真っ暗にするほど覆いつくすかのごとくに、
いえ、身動きができなくなるほどに包み込んでしまうかのごとくに、
とらわれていたことに、
・・・気付けなかったのです。
それを切々と語られていたときの鈍色(にびいろ)の瞳が忘れられないのです。
何度も口にされたのが
「淋しくて仕方がないんだ。」。
お話になったことで、一瞬でもお楽になったのだろうか。
今はどんなお気持ちでお過ごしなのだろうか。
ただ聞くことしかできなかった、みっつ前の夏の終わりのこと。
モノトーンだった午後。

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